日本国の制度
こんなことは一生に何回もない。課長は涙なのか鼻水なのか分からないが、目を真っ赤にして朝まで飲んだ。私は嬉しかった。熱い行政人がいて、またマンションの明日が明るくなったのだ。課長もさすがに次の日は休みを取ったようだ。だが行政人は二年ほどで人事異動がある。行政人はマンション問題のプロにはなれないのである。日本国の制度がマンション問題の解決を遅らせているのである。建設法と消防法で、マンションの共用部分には明りをつけるべしとある。親切なご提案であり、もつともにも聞こえる。しかし、国が決めたのだからその電気の器具も電気代も国が払うのかというとそうではなく、共用部分の電気代はマンション住人の財布の中から出ていく。五○世帯のマンションで電気代が年間一五○万円前後かかっている。一方、地域に憩いの場所をという理由で、間違いなく税金で公園が作られている。公園には花があり木がありベンチがあり砂場がある。さらに税金で消防設備を何カ所にも設置している。電信柱には明りを灯し、住人の保安にも税金を使っている。マンション人口は東京では六八%である。一戸建て人口は一八%だが、行政はあくまでも一戸建て中心の住対策をとっている。八三ページで述べるが、マンションは一戸建ての七・五倍もの税金を払っているのである。それなのに政府も行政もまだまだ一戸建てを大切にしている。おかしな話である。マンション住人自身も国も行政も、マンションを全く知らないからこんなことになってしまう。日本に原子炉はいらない、と言い続けている政党がある。言っていながらその原子炉に今までお世話になっている。原子炉を否定し、テレビも電話も電子ジャーもこたつも明りすら灯さない生活をしているなら説得力があるが、その政党の国会議員はテレビに出てばかげたことを言っている。その政党は原子炉を否定するだけで、その対案を出さないから少数政党なのである。